練習とは?
スキルの上達や技術の向上を目的に行うものです。
スポーツにおける練習とは、例えば陸上競技であればスタート練習や跳躍練習、投てき練習、野球であればピッチングやバッティング、守備練習、サッカーであればシュート練習やドリブル練習などがきるようになることです。
トレーニングとは?
体力の向上を目的に行うものです。
スポーツにおけるトレーニングとは、ウエイトトレーニングやプライオメトリクス、スプリントトレーニングやジョギング、ストレッチなどがあり、筋力やスピード、持久力や柔軟性など、万事の基礎体力の向上をする目的です。
体力が向上する仕組み
もっと詳しく話します。身体はストレスに晒されると、今後同じストレスに晒されたときに備えようと、身体を適応させ(=体力が向上し)環境の変化に対応します。
ウエイトトレーニングに当てはめて考えると、負荷(重さ・回数・セット数・頻度など)がストレスとなり、今後同じ負荷がかかったときに備えるため、筋肉を太くしたり筋肉の動員する数を増やしたりします。そして負荷の大きさが一定であれば、身体がこれ以上強くする必要が無いと判断し、筋肉を太くしたり筋肉の動員する数を増やしたりすることを止めてしまいます。
体力を向上させるためには守らなければいけない原則があり、その中でも特に 「過負荷の原則=負荷を以前よりも上げること」「漸進性の原則=少しずつ負荷を上げていくこと」が重要になります。
例えば、日常的にスクワットを100㎏で5回5セット実施している人がいます。この人がずっと同じ重さ・回数・セット数でトレーニングした場合は、身体が負荷に慣れてしまうので更なる筋力向上は見込めません。「重さを上げる」「回数を増やす」「セット数を増やす」など、以前よりも負荷を上げることで身体は適応を引き起こし、筋力が向上していきます。これが「過負荷の原則」です。
また、100㎏5回5セットから、いきなり150㎏5回5セットというような負荷の上げ方をしたら、どうなるか想像つきますよね? 急激に負荷を上げることで怪我や故障に繋がる恐れがあります。負荷は急激に上げるのではなく、徐々に上げることが大切です。これが「漸進性の原則」です。
この2つの原則を上手く活用して「体力を向上させる」ことが、トレーニングの目的となります。
体力が向上する=パフォーマンスが向上するわけではない
「ウエイトトレーニングで筋力が上がったけど、パフォーマンスは伸びなかった。だからウエイトトレーニングは要らない」という考え方をする人もいます。
確かにトレーニングで体力が向上したからといって、すぐにパフォーマンスが向上わけではありません。パフォーマンスを向上させるには、あるプロセスが必要になります。
そのプロセスが「練習」となります。ただ練習さえすればよいのではなく、新たに手に入れた体力を競技で使いこなせるようにするために、意識して練習しなければなりません。
例えば、今よりもパワーのある車を手に入れて、ある場所を速く走るとします。そのパワーのある車に乗って、いきなりベストタイムは出ません。ある程度の距離を走る必要があります。しかもただ走るのではなく、考えながら多くの距離を走らなければなりません。そうすることで徐々に車の特性を理解し上手く乗りこなすことができ、ベストタイムが出せるのです。
つまり「ウエイトトレーニングで筋力が上がったけど、パフォーマンスは伸びなかった。」ではなく、「上がった筋力を競技に活かす練習を続けられず、パフォーマンスが伸びなかった」という方が正しいです。
「向上させた体力を競技に活かす」ことが、練習の目的となります。
練習かトレーニングかどちらだけでは向上しない
筋力を例にとって考えてみましょう。私は、現在に至るまで陸上競技のハンマー投げをやっており、その陸上競技界隈でよく耳にしてきたのが「競技に必要な筋力は競技練習で身につける」という考え方です。確かに運動未経験の方はジョギングを少し続けただけでも脚の筋力は向上しますし、私が取り組んでいるハンマー投げは7.26㎏の鉄球を思い切り振り回すので、それだけで腹筋が鍛えらえます。こう見ると練習でも体力が向上するのでは?と思いがちですが、決してそうではありません。
ジョギングで脚の筋力を高めようと思って長期間続けようとしても、すぐに限界がきてしまいますし、むしろ筋力が低下する恐れがあります。同様に7.26㎏のハンマーを振り回し続けても、すぐに筋力の伸びは止まってしまいます。
何故、すぐに筋力の伸びが止まってしまうのでしょうか? それは、練習時にかかる負荷に身体が慣れてしまうからです。
最後に!
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